猫バス北海道漫遊 五日目 稚内〜宗谷岬〜サロマ湖〜網走〜知床羅臼
稚内ドームの朝は 騒々しい。 北の夜明けは早い。 未明から 礼文 利尻に渡るフェリーが出るので 沢山の人が動くのだ。 トラックもバスも乗用車も そして一番騒々しいのは 多くのオートバイ。 特にアメリカンタイプのバイクやシングルタイプのバイクの排気音は ドカドカ バカバカ ストレートにやかましい。 4気筒バイクはというと 北海道まで来るやつらは ツアラータイプが多く マフラーを変えたり 直管にしたりする都会のマルチ乗りとは違い 割合静かなバイクに乗っているやつが多いのだ。 その次にやかましいのは 荷物満載の定期便 トラックが全速力で走り過ぎると 地響きさえして 誰だって目が覚めてしまう なんせ我々は 地面に寝ているのだから。 |
せっかく早起きしたのだから このまま撤収してしまおう。 いつまでも だらだら寝ているのは 私の性に合わない。 幸い今日はお天気、宗谷岬を見に行こう。 朝の荷造りが楽なように 昨日は荷物を余り広げないようにしておいた。 何事も段取りが大切だ。 昨日の準備が今日の余裕を作る。 たぬさんには 数日後の予定をお聞きして 再会を約束して先に旅立った。 後日 糠平で・・・・・・ |
北の港は快晴 今日も気持ちがいい。 道北で涼しいのは 稚内市とその北側の宗谷岬周辺だけ。 うだるような大阪から見れば 贅沢な限りだが 長い冬の厳しさを知らない私は いつも美味しいところだけをいただいている。 こちらでは このような奴を「ハチ族」といった。 花から花へ ブンブンと美味しい蜜だけを吸いに来る うるさいやつ等という意味だそうだ。 ただしこの名前も 今では死語になっている。 |
岬の手前から 濃い霧が出た。 霧が太陽を遮り ますます涼しい。 だが 視界が悪いのは残念だ。 お天気は良いのだが 気分はブルーだ。 氷雪の門の向こうに 海峡の海が見えるはずなのだが 写真に撮れなかった。 私には いつも霧が濃いか そうでなければ 風が強いか そのどちらかの日にしかめぐり会えない。 |
宗谷岬でめぐり合ったのは カブに乗った女の子。 大型バイクに乗ってきているのに 目に付くのは小型バイクばかり。 話しかけるのも 小型バイクの乗り手が多い。 乗り手ははつらつとした おねえちゃん。 埼玉から来たという。 バイクショップのカスタム車両を買い取ったという。 |
こちらはスズキのニューバーディ。 カブの良いところを採用し カブの弱点を手直しして かなり使い易いバイクになっている。 こっちは 男性オーナーだった。 お二人がしゃべっているところへ 大型バイクの私が割って入って話しかけたので 驚いておられたが 私も小型車オーナーだと分り 気さくに話してくださった。 このバーディ、前サスはテレスコだし キャストホィールだし おまけにチューブレスタイヤだとお聞きして 驚いてしまった。 もしかしてビジネスバイク最強??! |
朝食がわりに このハスカップラムネを飲む。 。 ハスカップとは北海道に自生する野生の木の実で いまは栽培もされていて このようにジュースにしたり ジャムの原料にしたりする。 実は酸っぱく ブルーベリーっぽい味と酸味がする。 朝から炭酸系とはいただけないが 変わったものには目がないので つい買ってしまう。 |
宗谷岬から先しばらくは 霧の中を走行する。 不思議な霧で とても細かい粒子の水が 空気中にただよっている そんな感じの霧だ。 例えていえば 霧雨より粒子が細かく 水蒸気より粒子が大きい。 じっとしていれば 濡れることはなく バイクで走り出すとシールドが濡れてくる。 道路面は乾いていて 雨の気配はないのだが 何故か走り出すと ヘルメットのシールドとバイクのスクリーンが じわじわ水滴を作り始める。 画像はさっきのカブのおねえちゃん。 ガソリン残量が心配で この先のガソリンスタンドの所在を調べておられた。 カブでの長距離ツーリングは いろいろと頭を使わなければ 目的地にたどり着くことは難しい。 私もカブツーリングのときはそうなのだが 他の大きなバイクでツーリングする人達が考えるような 「のんびりツーリング」の印象とはうらはらに 沢山の難関をクリアし 知恵を絞らなければ満足に旅を続けることさえできないのだ。 |
道の駅「おうむ」 ここは バスターミナルの待合所になっており 隣は農協のスーパーで 地域のインフォメーションセンター 旅人のインフィメーションセンター 両方のハブになっている。 道の駅は旅人の休憩所として また町のアンテナショップとして よく機能しているようだ。 商業ベースの ドライブインなどの観光施設とは違い 純粋に休むことのできる 旅人のオアシスになっている。 隣接の農協スーパーの野菜や魚の値段が 驚くほど安いのが印象的だった。 鮭やホッケなど 観光地の半額以下で売られている。 市場やスーパーを覗くのは とても楽しい。 |
あまりに暑いので また休憩。 サロマの道の駅 ここで座っていると 地元大阪の人と知り合った。 クルマでキャンプしながら こちらを回っているご夫婦。 なんとうちから30分くらいの所にお住まいの方だった。 お互い情報交換をした。 今年 とうとう知床の羅臼熊の湯が 有料になったという情報をいただいた。 信じられないことだが 熊の湯に入るのは毎年のことなので かまわず出かけることにしよう。 |
サロマ湖の名物は 大型の帆立貝。 露天で焼き帆立を販売していたので 買ってみた。 朝からまともなものを食べていないが 空腹抑えになった。 高温の炭火で一気に焼いた帆立貝は 香ばしく美味しかった。 貝殻で焼いているので 帆立の香りが濃いようだ。 気温は30℃をオーバーしていて ひなたは暑いのだが 湿度が低い為だろうが 日陰に入ると過し易い。 しかしこれを焼いている人は 輻射熱を浴びて とても暑そうだ。 楽しい地元の話と 旅の話は尽きないけれど そろそろ出発しなければならない。 お互いの旅の安全と ネットでの再会を約して お別れした。 |
一年ぶりに訪れた網走の街は 夏祭りの活気でウキウキしていた。 晴れの町 網走。 夏の網走は 私には晴れた日しか印象にない。 私の自分だけのジンクスでは 「晴れ間が見たければ 網走か富良野へいけ」 すこぶるつきの雨男の私でも 青空を見せてくれる場所はあるのだ。 |
今年もやってきた 網走の商店街にある洋食屋 「ホワイトハウス」 性懲りもなく同じメニュー 「ビーフステーキとコンビ丼」を注文してしまう。 朝の足りない分を取り返すべく頼んだのだが カロリーとりすぎ。 これで1050円(2006/8現在)で去年から値上げしていない。 うには生うにではなく 蒸しうにだが 加熱したうには 生にはない美味しさがあって捨てがたいものがある。 生うには別の場所で食べることにしよう。 食べ過ぎて動けなかったので しばらく祭の屋台の間をブラブラした。 関西とはまた違ったモノを売っている露天が多く 見ていて楽しかった。 |
網走からずずんと走って知床峠。 カブの時の半分の時間で目的地についてしまう。 ワインディングも気持ちがいいけれど あっけなく走れてしまう。 こんなに近かったっけ? 朝 稚内を出て 3時には知床に着いてしまった。 カブなら一日の行程だ。 途中 全く前が見えない霧の中の走行で かなりもたもたし 休憩も何度かやったので 急いだつもりはなかったのだが 余裕で羅臼についてしまった。 やはり大型バイクは速い。 北海道って こんなに狭かったっけ? 霧の中の走行(2時間くらい)以外は ほぼ快晴で すこぶる気持ちが良い。 私のジンクスでは ツーリング前半快晴が続くと 後半はその反動で豪雨に会うのが通例になっている。 今のうちに楽しんでおこうと思う。 |
年々頻繁になる 熊の目撃情報と 観光客と野生動物との接近遭遇に対する警告のカンバン。 世界自然遺産になって 次々人が訪れて 頭の痛い問題が膨れ上がっている。 今年こそ熊と人間との間の事故が起こるのではないかと ヒヤヒヤしている。 このままいけば いま見られているところも 立ち入り禁止になってしまうのではないだろうか。 自然を守ろうという意図のもと 世界遺産に登録して 開発にストップをかけた本意とは別に 押し寄せる観光客による環境破壊を招いている現状を見ると 複雑な思いがした。 サロマの道の駅で教えてもらった 熊の湯情報だったが 今年も変わりなく無料だった。 どうやら有料化の情報は間違いだったようだ。 旅先の情報は多い方がいいが 情報の取り捨てや確認作業が大切だ。 間違った情報もまことしやかに語られ クチコミで伝わってゆく。 もともと有料化されても行くつもりだったので 事なきを得たが 間違った情報を人に話さなくてよかった。 こうしてデマが作られていくのだろうか? |
今年は例年の羅臼野営場キャンプをやらず パルサーさんのイチオシお勧めの ライダーハウス白樺にお世話になることにした。 お目当ては みんなでやるチャンちゃん焼きと 朝食のがごめ丼を食べることだ。 バイクを停め宿主に挨拶をすると 相客のなかに見たことのある顔が・・・・ 船で一緒だった「ブリキ屋」さん 「?!」 「?!」「あっ」 「あっ」 「なんで こんなところにいるんですか?」(それはこっちもいいたい:笑) 三日ぶりとはいえ こんなところで知り合いに会えるのはとても嬉しい。 |
彼の案内で ライダールームに案内してもらった。 内部はこんな感じ。 まさに雑魚寝な大広間。 今日は満員らしい。 布団付きで女性部屋は仕切りの向こう。 アベックライダーやタンデムライダーが増えて 女性も泊まれるようになっている。 |
みんなの持ち寄りで お金を出し合って有志でやるものかと思っていたが 一律料金制で一人2500円払って 宿側で何から何までやってもらって 客は焼いてもらったものを食べるだけだった。 チャンチャン焼きは食べ放題で カラフト鱒 鮭 烏賊などが鉄板で焼かれた。 料理を作れないもの キャンパーじゃないもの ビギナーなどは とても便利で利用しやすく 手軽にチャンチャン焼きを味わえて とても良い方法だと思った。 魚一匹を丸ごと焼くダイナミックな方法は ソロキャンパーにはできない料理なので 一度は泊まって味わうことも 想い出になって良いと思う。 |
ちょっとおじさんには 入りにくい雰囲気だ。 かまわず入り込んでもいいが せっかく良い雰囲気をそのままにしたかったので 外へ出て常連さんと一緒に話しこんだ。 ほどなくブリキ屋さんもこっちへ来て こっちはこっちで楽しかった。 若い人は初めての北海道ツーリングの人が多く 何を見ても感動しているようだ。 そこへ割って入って あそこはどうだ ここはどうだと 説明してあげるより 自分で経験して 自分で考えて旅をした方が 彼らにとって楽しいと思った。 自分がそうしてきたように・・・・ あちらが聞いてきたら 分ることは教えてあげるが 今は詳しいガイド本があるので その必要もないのかもしれない。 ライダーハウス白樺は 思ったより 大人しい雰囲気だったが 普段はもっと豪快系の宿だと思う。 来年は雨でも降らない限り またいつもどおり熊の湯のキャンプ場に行くつもりだ。 知床に来てキャンプしないのは やはりもったいない。 |